2019年第14回日本科学史学会賞の決定について

今年度の日本科学史学会賞は学術奨励賞2名、論文賞4名となりました。例年年総会の懇親会で授賞式を行いますが、年総会の中止に伴い、学会賞授賞式の中止のやむなきに至りました。受賞者には賞状、副賞を郵送でお送りさせて頂きます。


▼学術奨励賞
・藤本大士「現代日本におけるアメリカ人医療宣教師の活動」(東京大学博士論文)
・坂井めぐみ:『「患者」の生成と変容―日本における脊髄損傷医療の歴史的研究』晃洋書房、2019年 両者とも主たる業績
▼論文賞
・伊藤憲二:「竹内時男と人工放射性食塩事件:19 40年代初めの科学スキャンダル」『科学史研究』288号(2019年1月号)、266-283頁
・Yoshiyuki Kikuchi, “Ikeda Kikunae and Reactions to Energetics in Japan.” Historia Scientiarum, Vol. 28, No. 1 (2018): 54-68.
・松野誠也「大正期の日本陸軍によるガスマスクの研究・開発について-第一次世界大戦間とその直後の時期を対象に-」『技術史』,第14/15号,2017・18年合併号,pp.1-21.2018年
・菊地原洋平:「琉球における異国船と博物学――ブロッサム号によるフィールドワーク(1827)」 『生物学史研究』 第98号、23-44頁、2019年

日本学術会議 公開シンポジウム「学術研究と科学技術基本法」開催について

 日本学術会議公開シンポジウム
「学術研究と科学技術基本法―その科学史技術史的検討」

□ 日 時 2020年7月26日(日) 13:00~16:00
□ 会 場 オンライン方式での開催

□ 開催趣旨
科学技術基本法が法制化されて25年、科学技術基本計画も5期を数える第6期科学技術基本計画の決定に先駆けて、科学技術基本法に「科学技術の振興」に加えて「イノベーション創出」を明示する、また「人文科学のみに係るものを除く」とする規定を削除するなどの「改正」が、今次国会で審議、法制化されようとしている。こうした状況の中で日本学術会議は本年1月28日に幹事会声明を発信した。
本シンポジウムは、科学は基礎から応用、開発研究までそのスペクトルはさまざまで一括りでは語り得ない。学術研究はどういう状況に置かれるのか。科学・技術政策と「学術研究」との相関、「学術研究」固有の意義、また「学術研究」がこれまでたどってきた道筋をふりかえりつつ、学術研究体制の今後のあり方について科学史技術史の側から多面的に検討する機会となればと考え、企画するものである。

□ プログラム
 開催にあたって:佐野 正博(日本学術会議第一部会員、明治大学経営学部教授)
司  会 :兵藤 友博(日本学術会議連携会員、立命館大学名誉教授)
シンポジストと演題
*兵藤 友博(前掲)
「学術にとってのイノベーションとは何か―基本法「改正」の論点との関連で」
 *綾部 広則(早稲田大学理工学術院教授)
「ポスト冷戦期日本の科学技術政策をどう捉えるか」 
 *高橋 智子(中央大学法学部教授)
「科学技術基本法「改正」と大学の教育研究システム」
 *中村 征樹(日本学術会議連携会員、大阪大学全学教育推進機構准教授)
「科学技術基本法「改正」と人文・社会科学」
*コメント:隠岐さや香 (日本学術会議連携会員、名古屋大学大学院経済学研究科教授)
全体討論
閉 会

主 催 日本学術会議史学委員会 科学・技術の歴史的理論的社会的検討分科会
共 催 日本科学史学会
参加無料・申込要:氏名・所属・メールアドレス・連絡先等を下記連絡先にお送りください。
参加受付締切:2020年7月24日(金)17:00(定員あり)
参加申込・問合せ連絡先:立命館大学・兵藤友博(hyodot[at]ba.ritsumei.ac.jp;[at]を@に変更)

7月12日(日)科学史と教育の研究会のお知らせ

世界・日本・個人をネットZOOMでつなぐ新しいカタチの研究会
● 科学史と教育の研究会
さらに自由闊達な情報交換・研究のオープンな研究組織をめざして
                         多久和俊明

● 7月12日(日) 臨時研究会を行います。
 8:50~12:30
コロナウイルス感染拡大でリアルのさまざまな研究会等が止まっています。こういうときだからこそ,活発に交流する研究会が必要だということが明らかになったと思います。

・資料は, 3日前の木曜日までに,添付送信してください。
・事前に申し込まれた資料にしたがって,発表と検討をしていきます。
・発表される方は,「何を」,「どこを」検討してほしいのかを明確にして下さい。時間の制約があるので焦点をしぼってください。
※  参加費 0円
※ 資料を募集します。資料のない方の参加も歓迎です。
※ ZOOMのやり方や使い方等については佐藤正助さんがやさしく教えてくれます。
※ 興味のある方は,佐藤正助さんmakke@extra.ocn.ne.jpに連絡して下さい。

●6月7日(日)の研究会の発表の報告
①兼子美奈子 「ジェーン・マーセットさんの「ジョンホプキンスの政治経済のお話」」 
②柳沢克央  ①「宇野千代のエッセイより「独創は真似から始まる」」
       ②「確率密度分布の概念必須化と新教育課程についてのおぼえがき」
③須崎正美   授業書案〈タネの発芽条件〉
④佐藤正助  「新型コロナウイルス ビッグデータ 安全と監視」
⑤橋本五郎  「1930年頃にソ連崩壊を予言していた石川三四郎」
⑥多久和俊明 ①「新型コロナウイルス感染者数/日東京・日本・世界の推移 3」
       ②「仮説実験授業研究会は仮説実験的に発展してきたのか?」
⑦鈴木 久  「板倉聖宣の実験論」

たくさんの資料発表をありがとうございました。たくさんの方の参加で活発な議論ができたと思います。いろいろな立場の方の意見が聞けて,研究や交流等のきっかけなったように思います。心より感謝申し上げます。
参加者 11名

「安全保障技術研究推進制度を考えるフォーラム」のお知らせ(アンケート回答のお願い)

本文
 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、日本では緊急事態宣言下の日々が続いています。皆さまにおかれましては、様々な思いの中で生活と仕事と活動を継続されていることと存じます。
 科学史学会年会でシンポジウムを計画していた私たちのグループでは、研究活動をできる範囲で継続的に行っていくという考え方から、下記の日時で代わりにZoomによるビデオ会議を企画しています。どうぞふるってのご参加をお願いいたします。

日時:6月14日(日)13:00-15:30

話題提供:

兵藤友博(立命館大学)「「安全保障」研究と学術界 ―デュアルユース型研究開発モデルを考える―」
千葉庫三(東京工業大学)「安全保障と天文学について―学術会議2017年声明を受けた天文学分野の取り組み― 」
山崎正勝(東京工業大学)「科学史学会会員としてどう考えるか」

ディスカッサント:

河村豊(東京工業高等専門学校)、横井謙斗(東京大学大学院)、千葉紀和(毎日新聞)

フォーラム開催趣旨:

国連事務総長グテーレス氏がグローバル停戦を呼び掛けています。また、これを受けた世界平和アピール7人委員会の声明文「ウイルス禍とのグローバルな闘いを通じて平和を」は、「軍事力拡充の野心を放棄すれば、軍事費をウイルスとの闘いや気候危機の克服に振り向けることができる」と述べています。(http://worldpeace7.jp/?p=1255)
科学史家がウイルス禍の中で、専門家としてできることは限られていると思いますが、安全保障技術推進制度を議論することは、これらの呼びかけやアピールの精神にもつながるものと考えます。
本フォーラムでは、安全保障技術研究推進制度について議論します。この制度は、防衛装備庁による新しいファンディングとして2015年に開始されたもので、まだ短い歴史しかありません。したがって、本フォーラムは、それ自体を歴史的な研究の対象として見るというよりも、あるいはそれだけでなく、科学技術の歴史について研究・教育を行っている科学史学会の会員が、同時代に存在しているこういった問題に対してどのように対応していくべきか、科学史研究者の社会的責任とは何であるかを考えるという意図を持つものです。
日本学術会議は、「軍事的安全保障研究に関する声明」(2017年3月24日)において、学協会もまた「社会と共に真摯な議論」をしていくことを求めています。しかし、その後天文学会などの例を除いて大きな動きが起こったとは言えない状況です。本学会でも、これまで軍事研究をテーマに個別のシンポジウムなどを重ねて議論することはありましたが、それを超える活動には至っていません。
そこで、今回はフォーラムという形をとって、あらかじめアンケートで会員に意見を募り、議論を行うことを提案します。3名の講演者による話題提供の後、3名の指定討論者から質問とコメントを頂き、その後フロアに開いた討論を行います。様々な立場からの、様々な討論を歓迎します。また、何らかの形でのアウトプットの形成につなげることを目的としたいと考えます。

フォーラム参加手順:
参加を希望される方は、mhayashi*cc.kogakuin.ac.jp(*を@に変えて下さい)まで、氏名、所属(あれば)をメールでご連絡ください。あらかじめ資料とアクセス先のURLをお送りします。科学史学会の会員でない方の参加も歓迎します。参加費はありません。

アンケート回答のお願い
日本科学史学会会員の方には、下記のアンケートフォームでのアンケートをお願いしています。参加されない方も含め、アンケートへの回答をよろしくお願いいたします。
「日本科学史学会会員 防衛装備庁 安全保障技術推進制度アンケート」のサイト
https://forms.gle/gzNcEQ5dVkibR5a57

河村豊(東京工業高等専門学校)、林真理(工学院大学)、山崎正勝(東京工業大学名誉教授)