「安全保障技術研究推進制度を考えるフォーラム」のお知らせ(アンケート回答のお願い)

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 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、日本では緊急事態宣言下の日々が続いています。皆さまにおかれましては、様々な思いの中で生活と仕事と活動を継続されていることと存じます。
 科学史学会年会でシンポジウムを計画していた私たちのグループでは、研究活動をできる範囲で継続的に行っていくという考え方から、下記の日時で代わりにZoomによるビデオ会議を企画しています。どうぞふるってのご参加をお願いいたします。

日時:6月14日(日)13:00-15:30

話題提供:

兵藤友博(立命館大学)「「安全保障」研究と学術界 ―デュアルユース型研究開発モデルを考える―」
千葉庫三(東京工業大学)「安全保障と天文学について―学術会議2017年声明を受けた天文学分野の取り組み― 」
山崎正勝(東京工業大学)「科学史学会会員としてどう考えるか」

ディスカッサント:

河村豊(東京工業高等専門学校)、横井謙斗(東京大学大学院)、千葉紀和(毎日新聞)

フォーラム開催趣旨:

国連事務総長グテーレス氏がグローバル停戦を呼び掛けています。また、これを受けた世界平和アピール7人委員会の声明文「ウイルス禍とのグローバルな闘いを通じて平和を」は、「軍事力拡充の野心を放棄すれば、軍事費をウイルスとの闘いや気候危機の克服に振り向けることができる」と述べています。(http://worldpeace7.jp/?p=1255)
科学史家がウイルス禍の中で、専門家としてできることは限られていると思いますが、安全保障技術推進制度を議論することは、これらの呼びかけやアピールの精神にもつながるものと考えます。
本フォーラムでは、安全保障技術研究推進制度について議論します。この制度は、防衛装備庁による新しいファンディングとして2015年に開始されたもので、まだ短い歴史しかありません。したがって、本フォーラムは、それ自体を歴史的な研究の対象として見るというよりも、あるいはそれだけでなく、科学技術の歴史について研究・教育を行っている科学史学会の会員が、同時代に存在しているこういった問題に対してどのように対応していくべきか、科学史研究者の社会的責任とは何であるかを考えるという意図を持つものです。
日本学術会議は、「軍事的安全保障研究に関する声明」(2017年3月24日)において、学協会もまた「社会と共に真摯な議論」をしていくことを求めています。しかし、その後天文学会などの例を除いて大きな動きが起こったとは言えない状況です。本学会でも、これまで軍事研究をテーマに個別のシンポジウムなどを重ねて議論することはありましたが、それを超える活動には至っていません。
そこで、今回はフォーラムという形をとって、あらかじめアンケートで会員に意見を募り、議論を行うことを提案します。3名の講演者による話題提供の後、3名の指定討論者から質問とコメントを頂き、その後フロアに開いた討論を行います。様々な立場からの、様々な討論を歓迎します。また、何らかの形でのアウトプットの形成につなげることを目的としたいと考えます。

フォーラム参加手順:
参加を希望される方は、mhayashi*cc.kogakuin.ac.jp(*を@に変えて下さい)まで、氏名、所属(あれば)をメールでご連絡ください。あらかじめ資料とアクセス先のURLをお送りします。科学史学会の会員でない方の参加も歓迎します。参加費はありません。

アンケート回答のお願い
日本科学史学会会員の方には、下記のアンケートフォームでのアンケートをお願いしています。参加されない方も含め、アンケートへの回答をよろしくお願いいたします。
「日本科学史学会会員 防衛装備庁 安全保障技術推進制度アンケート」のサイト
https://forms.gle/gzNcEQ5dVkibR5a57

河村豊(東京工業高等専門学校)、林真理(工学院大学)、山崎正勝(東京工業大学名誉教授)