研究行動規範を改訂しました

全体委員会

日本科学史学会・研究行動規範は2021年3月14日に制定されました。しかし、その検討過程では、会員の皆様から規範制定をめぐる戸惑いや懐疑的な意見がしばしば寄せられました。そのため、全体委員会では、本規範を各会員が十分に納得して遵守していくために、規範の基本的な価値観を前文として明記しておくことが望ましいと考えました。この理解を踏まえて、これまで約2年間にわたって『科学史通信』や年会での意見交換会を通じて会員の皆様の意見を伺いながら、新しい前文の文章を精査してきました。この度、全体委員会ではこの精査を終えたと判断し、2023年1月22日の全体委員会において新しい前文案に改訂した研究行動規範を採択しました。前文が追加されましたが、この価値観はこれまでの科学史学会のさまざまな論考の記録に基づいて吟味されたものであり、本会の会員にとっては周知のものであるはずです。また、前文以外の条文には一切の変更はありません。会員の皆様におかれましては、この新しい行動規範を尊重していただき、本学会を通じた学術的に誠実な研究活動の展開へのご協力を引き続きよろしくお願い申し上げます。なお、本規範の内容については今後も必要があれば改訂を重ねていくべきと考えられます。本規範についてお気づきの点がございましたら、研究倫理委員会まで何なりとご意見をお寄せください。

研究行動規範に関する意見募集

第69回年会二日目(5/29)に開催した、「研究行動規範の前文追加に関する意見交換会」の内容を、2022年7月発行の『科学史通信』No.450 にて意見交換会の報告を掲載いたしました。研究倫理委員会では、前文案ならびにその研究行動規範への追加に関して引き続きご意見を募集しています。

意見の送付先:日本科学史学会問い合わせページ

●「問い合わせ内容」を「その他(その他会費・会員向け送付物)」としてください。
●題名を「研究行動規範について」としてください。
●2022年8月31日までに送付してください。

※ いただいたご意見は科学史通信等での報告に匿名で転載させていただくことがありますのでご了承ください。

研究行動規範の制定について

日本科学史学会では、2015年度より研究行動規範の制定に向けた検討が進められてきました。内容については基本的に2019年度に学会内での調整を終えておりましたが、全体委員会のオンライン開催要領の整備を待って、2021年3月14日の全体委員会でこの研究行動規範が正式に採択されました。本規範には、責任ある研究を進める上で日本科学史学会会員が重要と考えていることが記されています。会員諸氏におかれましては、本規範を尊重し、本学会を通じて学術的に誠実な研究活動を展開していくことに、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。なお、本規範の内容については、例えばオンライン環境のさらなる進展など、今後の研究のあり方の変化に合わせて不断の見直しが求められます。本規範についてお気づきの点がございましたら、研究倫理委員会までいつでもご意見をお寄せください。

日本科学史学会 研究行動規範

「研究倫理に関する宣言」について

『科学史通信』No.400に,第8回全体委員会において採択された「研究倫理に関する宣言」が掲載されました.

研究倫理に関する宣言

 日本科学史学会は創立以来、日本を代表する科学史および技術史研究の専門学会として学術的貢献と社会的責務を果たしてきた。日本科学史学会全体委員会は,2011年に創立70周年を迎えるにあたり、科学史および技術史研究の一層の発展に寄与するために,次のことを宣言し,すみやかに研究倫理に関する綱領の制定に取り組む.

一、本学会は、学会員の公正な研究・教育活動を保障し,人権を尊重する環境の整備に努める。
一、本学会は、学会員の研究および学会活動を尊重すると共に、それらが正当に評価され適切に批判されるような組織運営に取り組む。
一、本学会は、科学史研究の文化的意義と学会活動の社会的責務を自覚し、行動する。

                        2010年9月26日
                 日本科学史学会全体委員会