日本学術会議の活動と運営に関するご連絡

日本学術会議の活動と運営に関するご連絡

2021年7月30日

日本学術会議幹事会

2021年7月29日、日本学術会議の活動と運営に関する記者会見を行いました。記者会見冒頭の梶田隆章会長の挨拶(下記のとおり)のほか、防災に関する日本学術会議・学協会・府省庁の連絡会、公開シンポジウム「新型コロナワクチンを正しく知る」開催報告、学術フォーラム・公開シンポジウム等の開催予定、「パンデミックと社会に関する連絡会議」の設置の背景と趣旨、課題別委員会「ヒトゲノム編集技術のガバナンスと基礎研究・臨床応用に関する委員会」についてご説明いたしました。記者会見で配布した資料は、日本学術会議のホームページに掲載しております。

第25期幹事会記者会見資料(7月29日)http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/kanji/kisyakaiken.html

 同日に行いました第314回幹事会では、日本学術会議後援名義の使用承認基準に、行事等の登壇者や発言者等が2人以上いる場合、その性別に偏りがないよう努められているものであること、とする規定を追加いたしました。後援名義を申請いただく際には、御留意くださいますようお願いいたします。 このほか、課題別委員会ヒトゲノム編集技術のガバナンスと基礎研究・臨床応用に関する委員会、持続可能な発展のための国際基礎科学年2022連絡会議、パンデミックと社会に関する連絡会議の設置を幹事会決定いたしました。

〇第314回幹事会(令和3年7月29日)資料http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/kanji/siryo314.html

〇第313回幹事会(令和3年6月24日)議事要旨http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/kanji/pdf25/giji313.pdf

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〇記者会見冒頭の梶田隆章会長の挨拶

  本日は、日本学術会議の記者会見にお集まりいただき、どうもありがとうございます。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う緊急事態宣言期間中ですので、今回もオンラインでの記者会見とさせていただきます。

 新型コロナウイルス感染症は、緊急事態宣言発出中にも関わらずデルタ型変異ウイルスによる感染が急速に広がっており、私たちの社会にとって大きな脅威となっております。感染拡大の中で人命と健康を守るために働いている医療関係者の方々に敬意を表するとともに、学術会議としても、引き続きこの問題に関して学術フォーラムを通した情報発信などに積極的に取り組んでまいります。

   また、今月熱海で発生した土石流で多くの方がお亡くなりになり、また未だに行方不明の方々もいらっしゃいます。お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表しますと共に、行方不明の方々が一刻も早く見つかることを願っております。近年、気象現象が激化しておりますが、このような状況下での災害への備えということも学術の重要な役割です。日本学術会議では、8月3日に第3回「防災に関する日本学術会議・学協会・府省庁の連絡会」を開催し、「激化する気象災害への備え」について議論します。この件につきまして本日の記者会見で菱田副会長よりご案内いたします。

 また、今後予定されている新型コロナウイルス関係の学術フォーラムや公開シンポジウム関係について、ご案内しますと共に、7月17日に開催された公開シンポジウム「新型コロナワクチンを正しく知る」について望月副会長より報告いたします。

 なお、この1ヵ月間の新たな活動として、6月にご報告しました、学術分野ごとの分科会活動をまたいで広く総合的・俯瞰的な議論を行う委員会等連絡会議の枠組みのもと、新たに、「持続可能な発展のための国際基礎科学年2022連絡会議」、及び、「パンデミックと社会に関する連絡会議」を設置することとなりました。

1点目の「持続可能な発展のための国際基礎科学年2022」は、2019年にユネスコにおいて決議されたものですが、「基礎科学」という対象の広いものであることから、学術会議内の関係する分科会が連携して取り組むため、連絡会議を設置するものです。2点目の「パンデミックと社会に関する連絡会議」については、新型コロナウイルスに対するこれまでの活動などとあわせて、望月副会長から報告いたします。

  また、当初から安全性や倫理的課題が問題となっているゲノム編集について、ゲノム編集技術を用いたヒト胚等に対する基礎研究と臨床応用、ゲノム編集技術のガバナンスのあり方について審議するため、課題別委員会として「ヒトゲノム編集技術のガバナンスと基礎研究・臨床応用に関する委員会」を設置することとしました。本委員会の趣旨などについて、望月副会長から報告いたします。 

 なお、私たちは様々な外部の方々との意見交換などが重要と考えており、外国のアカデミー会長経験者との懇談を開始し、7月20日にカナダ王立協会の元会長、およびレオポルディーナドイツ科学アカデミーの元会長との懇談を行いました。そして国内でも様々な組織との対話を開始しつつありますので、これらについては今後機会があれば報告したいと思います。