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2026年4月25日(土)午後2-4時
徳武太郎先生(パリ・シテ大学)
「ディオファントス『算術』第4〜7巻:アラビア語訳でしか知ることのできないギリシア数学書」
ギリシア数学書のなかには原典が失われてしまい、アラビア語訳でしか知ることのできない文献がある。ディオファントス『算術』第4〜7巻もこうした文献に含まれる。同書は具体的な数値を伴った問題とその解法を列挙した問題集である。本講演では、楠葉隆徳教授と発表者による共著『ディオファントス『算術』:アラビア語版和訳注』(現代数学社、2025年)に基づき、ディオファントス『算術』アラビア語版の内容を紹介する。
2025年4月26日(土)午後2-4時 平井 正人 会員(東京大学) 「ダーウィン以前の「生物学」―アンリ・ブランヴィルとその周辺」 昨今の生命科学史研究では、科学としての生物学の発展を妨げる「障害」とラベリングされてきた生気論(vitalism)や自然哲学(Naturphilosophie)が、通念に反して、生物学の出現において果たした役割が再評価されている。本講演では、最近の研究動向を概観するとともに、キュヴィエの後釜として「フランス生物学」を牽引したものの、後に忘れ去られた「生物学者」アンリ・ブランヴィルの業績を紹介する。
2025年6月28日(土)午後2-4時 金 凡性 会員(東京理科大学) 「紫外線の科学史」 紫外線は目に見えない存在でありながら、科学・技術と社会・文化との関係を可視化してくれる存在でもある。紫外線に関しては、医学や物理学、畜産、電気やガラス、建築など幅広い科学・技術の領域がかかわってきたが、その一方で、社会・文化的な環境の中で紫外線のイメージも変容してきた。今回の講演では、主に拙著『紫外線の社会史-見えざる光が照らす日本』(岩波新書、2020年)の内容を紹介することにする。 2025年8月30日(土)午後2-4時 渡邊 洋之 会員(龍谷大学) 「外来魚ブルーギルはなぜどこにでもいるのか、そして歴史家はその理由をどのように探り出すのか」 北米原産の淡水魚ブルーギルは、今や日本全国で普通に見られるものとなっている。そしてそのような状況に至った理由については、根拠不明なものも含め、さまざまに語られている。今回は、その分布拡大の過程の実際について説明するとともに、それをあきらかにするためにどのような探求をおこなったのかについても、史料を明示しながら紹介していくことにしたい。
2025年10月25日(土)午後2-4時 小長谷 大介 会員(龍谷大学)
「中間子論への道程―史料から読みとく若き日の湯川秀樹」
2025年が国際量子科学技術年であることにちなみ、若き日の湯川秀樹(1907-1981)が量子力学とどう向き合ったかに触れながら、中間子論にいたるまでの道程を再考する。この道程は『旅人』『湯川秀樹日記』等の文献で知られるが、京都大学基礎物理学研究所湯川史料室には、量子力学の理解に苦しむ様子や、大阪帝国大学赴任にともなう研究環境の変化などを示す史料群が存在しており、これらの史料をあらためて読みとき、ノーベル物理学賞を受賞した中間子論にいたるまでの過程を考察する。