2019年度(第32期)科学史学校のご案内

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日本科学史学会では、一般の方を対象とした公開講演会「科学史学校」を開講しています。 全6回・聴講料は無料です。

期間:2019年4月~2020年2月

会場:★2019年3月末に決定次第、HPに掲載します

時間:14時~16時 事前申し込み不要・参加費無料・自由参加

第32期プログラム

2019年4月27日(土)

講師: 市川 浩 会員 (広島大学)

演題:「オブニンスク、1955年―世界初の原子力発電所とソヴィエト科学者の「原子力外交」―」

1950年代なかば、原子力の「平和利用」は、東西冷戦にもかかわらず、東西両陣営で軌を一にして強力に推進された。1954年6月、オブニンスクに世界初の商用原子力発電所が開設され、国連第1回原子力平和国際会議(ジュネーヴ)が開催される翌1955年は、ソ連の原子科学者にとって夢と活力に満ちた年となるはずであった。しかし、ソ連・東欧における原子力「平和利用」はその後暫時停滞する。本講演ではこの背景を解きあかしてゆきたい。

2019年6月22日(土)

講師: 春日 あゆか 会員(広島大学)

演題:「大気汚染と技術の評価―19世紀イングランドを事例に」

19世紀のイングランドでは、蒸気機関の使用が拡大した結果、多くの工業都市で大気汚染が深刻化した。その解決策として期待されたのが主に完全燃焼を達成するとされた技術的対策だった。しかし、この解決策に関しては、煤煙対策と燃料削減の両面から有効なものであるとする立場と、費用・トラブルの発生などの面から非実用的だとする立場があった。評価が分かれた背景を論じ、環境・公害問題における対立の一事例として提示する。

2019年8月24日(土)

講師:橋本 毅彦 会員 (東京大学)

演題:「科学史における図像の製作と利用について」

解剖図や植物図譜、天気図や地層の断面図、あるいは実験結果を示す写真や模式図。科学・技術・医学の諸分野において、さまざまな図やイラストが古くから利用されてきた。近年これらの図の製作と利用について多くの歴史研究がなされ、新たな知見が提供されている。本講演では、それらの科学史上の図の利用に関して、いくつかの図と背景となる科学研究の歴史事例を取り上げつつ、最近の研究成果について紹介することにしたい。

2019年10月26日(土)

講師:小川 眞里子 会員(三重大学 名誉教授)

演題:「ヴィクトリア時代の医学と医療について」

イギリスの19世紀はコレラを初め、腸チフスや結核などさまざまな伝染病に悩まされた時代であった。世紀の後半は病気の原因として、微生物が注目されるようになる時代である。またヴィクトリア時代は、麻酔と消毒という2つの医療行為がもたらされ、外科手術が大きく発展するようになった時代である。病院の普及や看護職についても触れつつ、医学と医療におけるパラダイム転換を描き出すことをめざしたい。

2019年12月7日(土)

講師:中村 士 会員 (大東文化大学)

演題:「古星図・星表の新しい年代推定法―キトラ古墳天文図を手掛かりに」

古代から近世以前までの星図・星表に記された恒星位置の観測年代の決定は、天文学史における重要な研究テーマの1つである。7世紀末前後に描かれたとされるキトラ古墳天文図の観測年代推定の試みが契機で、多くの歴史的星図・星表に統一的に適用できる新しい統計学的手法を開発した。本講演では、その概要と特徴を、拙著『古代の星空を読み解く―キトラ古墳天文図とアジアの星図』(東京大学出版会、2018年)に基づき紹介する。

2020年2月22日(土)

講師:鈴木 孝典 会員 (元 東海大学)

演題:「アラビア天文学から科学史を見直す」

科学史のメインルートであるギリシャ→アラビア→ヨーロッパという学問の流れの中で、アラビアは異質なものと見なされがちである。それは明らかな偏見であり、そういう偏見をもっていては、科学史の見方も歪んだものにならざるを得ないだろう。その偏見をなくすには、アラビアを中心において、そこからギリシャとヨーロッパを眺めてみるのが効果的である。アラビアからプトレマイオスとコペルニクスはどう見えるだろう。

お問い合わせ先 日本科学史学会 普及委員会

e-mail : fukyu (後ろに@historyofscience.jpを追加してください)